2010年から、屋根に落ちた雨滴を追跡するプラグインの製作を手掛けてきました。2011年3月11日に東日本大震災が発生し、 厖大な計画需要が発生しました。また、沿岸域に関して大量の地形データが作成されています。この新たな状況を受けて、 4月以降に、このプラグインに以下のような機能を追加しました。

FLOW.DLLダイアログ画面
図1 flow.dllの編集画面

主な機能

(メイン画面での操作:機能は、右上のラジオボタンで選択します)
1.屋根面に落下した雨滴の流路を追跡する機能
・メイン画面上で指定した1点に落下した雨滴が流れていく先を追跡します。操作方法
2.屋根機能
・任意の形状の図形から、指定した勾配の屋根を立ち上げます。操作方法
3.高台整地機能
・画面で入力した任意の形状・高さの地盤面と、メイン画面で選択指定した地形から、法面を計算し整地します。 操作方法

(主なメニュー項目:画面上のプルダウン・メニューから機能を選択します)
4.貿易コンバータを通さずに、DEMデータ(2mメッシュ、5mメッシュのLEM形式)を読み込む機能
 ・直接表示する以外に、これを基盤データとして保持しつつ、二次元のGISデータに対応する高さも取得します。
 ・オプションで、次の機能を選択できます。
a. 地形の特性を集計する
b. 地形の概形を、白い棒(標高ゼロからその地点の標高まで)で軽く表示する
c. 地表の形をTINで表示する
5.数値地図(二次元, DM形式)を読み込む機能
・主として、建物データ(無被害、浸水、流失・倒壊)を読み込み、重心位置の標高の高さに表示します。
・オプションで、次の機能を選択します。
 a. 建物単体毎のデータを、csv形式で出力
 b. 建物の建坪面重心位置に、面積の平方根を高さとする赤い柱を表示(確認表示用)
 c. 等高線を、属性で指定された高さの位置に表示
 d. 道路その他のインフラを表示
6.仮想コンバータのためのメタファイルをテストする機能
・住宅等の三次元形状を記述したデータに、メタファイルを添付したものを入力し、読み込んで表示テストします。
 仮想コンバータに関してはこちら。
7.座標変換を行う機能(工事中)
8.ジオイドを計算する機能(同上)

その他、メニューの[ファイル]以下の経路保存や、[表示]配下のグリッド、メジャー、・・・は従来の各種編集機能のメニューと同等です。

セットアップ方法

景観シミュレーション・システムが稼働している状態で、必要なファイルをダウンロードし追加します。

起動方法

景観シミュレータ(sim.exe)のプルダウン・メニュー([形状生成][プラグイン]で一覧表示)から、「流路・屋根・整地」を選択します。

1.雨滴の流路追跡の操作方法

画面をクリックして開始点を指定します。以下のモードを繰り返して流路を追跡します。
(1)自由落下
(2)斜面の流下
(3)谷線(川)の流下
(4)淀み・池の形成
(5)溢れ出し
FLOW画面
図2:雨滴の流路追跡

2.屋根の形状生成の操作方法

(1)屋根の外形(軒線)を、反時計回りに入力します。その方法
(2)屋根勾配を、水平線に対するtan値として指定します(例えば六寸勾配なら0.6)。
(3)凹分数は、凹となる頂点(角)から立ち上がる屋根の形状を指定します。
 0→両側の屋根の面を延長した二つの面で谷を形成します。
 1以上→両側の屋根の縁が軒線に直角に立ち上がるものとし、その間の角を指定した数で分割します。
(4)切妻にチェックを入れると、三角の屋根面で、両隣の屋根面が四角以上のものを垂直の妻壁とします。
(5)[実行]ボタンにより形状生成します。
roof1roof2

roof1roof2
図3 屋根の編集画面

3.高台の整地機能の操作方法

(1)メイン画面で、地形を選択します。この地形には地面の属性が付いている必要はありませんが、側面・底面を付加して閉じた図形となっている必要があります。その方法
(2)平坦に整地する範囲を反時計まわりの点列で指定します。その方法
(3)実行ボタンで、法面を生成します。
(4)メイン画面で地形が選択されていない場合には、整地面と盛土面を生成しますが、地形との図形演算は行いません。
 また、この時、屋根生成で使用する「切妻」が選択されている場合、切土面も生成します(説明用、動作確認用)
(5)取消ボタンを押すと、実行前の状態に復原します。
(6)実行の前に、凹分数により、整地面図形の凸部頂点から下に生成する法面の分割数を指定します。
(7)実行の前に、勾配は、鉛直面に対するtan値として指定します(ゼロなら垂直面)。
(8)実行の前に、下の「状況把握」ボタンを押して、地形となる図形の上下範囲を把握する必要があります。
 上下範囲に基づいて、図形演算のテンプレートを生成します。特に下が低すぎ、指定した整地エリアが地形の側面に近い場合には、側面からはみ出した図形が生成する場合があります。このような場合には、取消を行い、下の値を修正して再度実行します。
(9)同じ整地面を用いて、高さを変えた再試行を行うような場合には、整地面の形状(二次元)をファイル保存することができます(メニューの[ファイル][経路保存])。保存してある整地面形状(二次元)を読み込んで再利用することができます(メニューの[ファイル][読み込み])。
(10)実行後は、切除された地形、切土法面、盛土法面、整地面はそれぞれ別のグループとなっています。それぞれを選択して、異なる色彩、マテリアル、テクスチャ等を編集することができます。
seci2
4-1.図1で実行により切土盛土の法面を生成し、地面の不要な部分を削除する(新機能)
seci3
4-2法面のカラー、テクスチャ等を編集(従来機能)
seci4
4-3.住宅や道路を編集(従来機能)
seci5
4-4.視点設定(従来機能)で、高台の上の歩行者の視点や移動経路を設定する
seci6
4-5.高台の外の地面から歩行者の視点や移動経路を設定する
図4 高台整地と、以後の景観編集操作例

共通項目:エリアの指定方法


・次入力ボタンを押し、画面上の点をクリックするか、または座標値を入力してフォーカスを他に移すと、新たな点が一つ追加されます。
・点取消ボタンを押すと、最後に入力した点を削除します。

ダウンロード


1.景観シミュレーションシステムの新規セットアップはこちらから行います。 このプラグインは、最初から含まれています。
(その場合、2.以下の作業は必要ありません)
2.旧版のシステムにプラグインを追加する場合には、
(1)以下の四つのファイル(実行形式)をダウンロードし、システムセットアップ先のksim/binディレクトリに追加します。 このディレクトリにはsim.exeをはじめとする各種実行形式が置かれています。 デフォルト設定では、c:/@keikan/ksim/binです。

プラグイン(flow.dll)
リソース(flow.rc)
ヘッダー(flow.rc.h)
マニフェスト(flow.dll.manifest)
(2)以下は、日本語表示のために必要となる多言語対応ファイルです。ksim/Language/ja ディレクトリに置きます。

多言語対応ファイル (flow.dll.ja.xml)
ヘルプファイル (flow.ja.txt)
プラグインの一覧(plugin.tab):flow.dllを追加登録し選択・起動できるようにする

(3)以下は、基幹部分等のマイナー・デバッグ版です。既存のファイルと交換します。

景観シミュレータ(sim.exe)
図形演算機能(dll.dll)
地形編集機能(land.dll)

デバッグの内容等についてはこちらを参照して下さい。

(4)以下は、教育用コンピュータ室のPC等において、WindowsのOS側が提供するDLLの使用が制約されている場合に、
景観シミュレータのセットアップ先にDLLを配置し、使用するためのアプリケーションマニフェストです。
地形編集機能のマニフェスト(land.dll.manifest)
流路・屋根・整地のマニフェスト(flow.dll.manifest)
既に既存のland.dll, flow.dll 等が動作している環境では追加は不要ですが、念のため。

その他

土木の日体験教室で来場した子供たちに操作体験して頂きました(2011年11月19日)
作品集
操作説明
操作指導員マニュアル
景観シミュレーション・システム(ダウンロード)
地形編集機能の解説資料を用意しました(2013年11月16日)
地形編集プラグインの解説