III 官民共同研究等の成果

平成9〜10年度に、建築研究所では、官民共同研究「地域の3次元的将来像の予測システムの開発」を一般公募しました。その目的は、完成しつつあった景観シミュレータをベースとして、実際の事業に応用する上での実用性を高めるために、各種の民間技術・製品等とのインターフェースを図り、連携して使用できるようにすることでした。

公募の結果、下記の2社が応募・採択され、1〜2年間にわたりファイル・コンバータの作成および連携機能の強化・改善を行うと共に、実際の再開発や区画整理に実験的に応用することを通じて、データ作成期間の短縮や、シミュレーションの質の向上を達成することができました。

1. 富士通RealModelerのデータの利用

富士通では、1枚の写真のデータから、テクスチャ付きの3次元モデルを作成する機能を持ったRealModelerを開発し、平成9年には既に商品として発売していました。

官民共同研究においては、この解析結果を、景観シミュレータの中で配置することのできる部品の形に変換する、ファイル・コンバータを作成しました。このコンバータについては、無償で提供しています。また、景観シミュレーションに用いるのに便利なように、建物の座標軸の設定やスケールの指定を行うことができるように、システム自体も改善されました。

官民共同研究として連携機能を開発することの効用として、景観シミュレータのユーザーの側では、この商品ソフトと連携して用いることにより、市街地現況の3次元データなどを作成する手間とコストを大幅に軽減することが期待できます。一方、RealModelerの側では、従来想定されていた応用範囲・ユーザー層を拡大することが期待できます。

共同研究期間中に、これを実際の現場に導入し、現況市街地の建物の3次元データ作成、事業後の市街地将来像を構築するための、住宅や店舗、ビルなどの部品の作成、及び、標準的なテクスチャ・データの作成などに活用し、成果を上げました。

特に近年、デジタル・カメラが普及してきたため、ノート・パソコンと組み合わせることにより、現場で直ちに現況建物の3次元データを起こすことも可能となってきました。

開発の成果として、ファイル・コンバータであるSKV2LSS.exeが、フリーウェアとして無償で公開されることとなりました。但し、ソースコードは現在のところ非公開です。

改良されたRealModeler自体は、引続き、同社の製品として販売されています。同製品に関する情報は、同社サイト

http://www.fsel.co.jp/skv

から公開されています。

リアルモデラー自体は、商品ソフトであり、官民共同研究の成果ではないため、操作方法は(3)に譲り、ファイル・コンバータの操作方法を中心に解説します。

なお、リアルモデラーの具体的な応用例については、応用編の中で触れています(I 応用1)。RealModeler付属のマニュアル類は、機能説明等が中心となっているので、実際に素材となる建築物の3次元データを作成する上で、能率的に作業を進めるためのコツについて、応用編の説明を参考として下さい。応用編に用いたデータは、[画像を開く]で .jpg 形式を指定します。