研究開発の内容と成果 Ver.1.4
基本的方針

平成13年9月末までに、遅れることなく公開に漕ぎつけることを最優先し、技術開発は基本的で、かつ確実な内容に限定した。10月以降は、コンテンツの改良、夢のある(ハイリスク・ハイリターン)研究を実施した。

ソフトウェアの開発
  1. 建設省版・景観シミュレーション・システムをベースとして以下の無償ソフト群を開発 した。
    1. 立体視のできる仮想現実機能(地方整備局・イベント会場などに置くことを想定)
    2. ネットワークで無償配布可能な、市街地将来像のビューワ(仮想市街地の中を歩き回る)
    3. ネットワークで無償配布可能な、クリエーターズ・キット(仮想市街地を構築編集する)
    4. ネットワークで利用できるデータベース(市街地構成要素、現況市街地等の検索・配布)
      b〜d.は、一体であり、まずビューワをインストールし、形状編集などを行おうとすると、
      必要な機能を追加ダウンロードする。データベースはサーバーに取得に行く。
    5. 様々のCAD、CGソフト等とのデータ互換性を高めるファイル・コンバータ群の強化
      VRML2.0入出力、DXF入出力
  2. データ公開・意見集約用のサーバー機能(コンテンツ、CGI等)の開発
    1. 計画案イメージに関する公開パンフレット、計画図等の公開機能
    2. 市街地現況データの公開機能
    3. 入力された将来像3次元データの受付機能
      帳票に記入し、3次元データを添付して、登録ページから送信すると
      審査の上登録・公開開始する仕組みを実現
    4. 市街地将来像の公開機能
    5. フリーソフト群の配布機能
    6. 公開した将来像に対する意見収集機能(ページへの書き込み)
コミュニケーション用サーバーの構築(基本的なハードの整備)
  1. 地区別のデータを、国土技術政策総合研究所のサーバー上に構築した
    (このサイト)最終的に、事業主体が希望するサーバーに移管する
  2. 無償公開ソフト、マニュアル等を、国土技術政策総合研究所のサーバーに置いた
  3. 本プロジェクト終了後、公開可能であって有用なjコンテンツ(地形+市街地の
    3次元データ等)に就いては、筑波WANなどの大容量ストレージから研究開発
    用の素材として公開することを検討中。
市街地将来像データの構築(公開用データ入力)
  1. モデル検討地区及び事業の決定(最終的に15事業)
  2. データ構築のための設計図書、パース等の選択
  3. 市街地現況データの作成(ステレオ空中写真からローコストで作成する)
  4. 計画案に基づく3次元データ入力作業 (地域の若者による懸賞募集方式を検討)
  5. 市街地現況データの上への計画案データの集約・合成・公開の作業
    (リモートで作業できるシステムを検討)
  6. 計画案に対する意見の受付と集計分析作業
    (審査員による公開可否の判定も可能な仕組みを開発)
  7. 一部のモデル事業につき、既存GISからのデータ構築も実施
マニュアル作成作業
  1. データ構築マニュアルの作成(データ入力者向け;入力段階)
  2. 無償公開ソフトの操作マニュアル(一般市民向け;公開段階)
  3. サーバー運営マニュアル(サーバー管理者向け;公開段階)
  4. 実務マニュアルの作成(実験結果を含む全体報告;最終段階)
10月以降の技術開発
  1. 投稿された提案等の審査付き公開システム
  2. 様式定義ファイルによってカスタマイズできる投稿システム
  3. MAC版への移植とソースの整理
  4. 地形の改変を伴う高度なデータ作り込み
  5. ビューワの高速化

    等に取り組んだ
スケジュール(当初計画)
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

無償配布用ソフト開発







サーバー等ハード整備




サーバー・ソフト開発







モデル検討対象地区選択




市街地3次元データ構築


市街地将来像一般公開






意見等受付・集約分析







マニュアルとりまとめ

入力
公開
実務

各地方の成果集約



10月以降の技術開発







スケジュール(実績)

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

無償配布用ソフト開発








サーバー等ハード整備






サーバー・ソフト開発








モデル検討対象地区選択




市街地3次元データ構築




市街地将来像一般公開






意見等受付・集約分析







マニュアルとりまとめ

入力
公開
実務

各地方の成果集約



後期の技術開発







実施体制と技術開発の詳細
 (1) 建設省版・景観シミュレーション・システムをベースとして以下の無償ソフト群を開発
a. 立体視のできる仮想現実機能(地方整備局などに置くことを想定)

成果 立体表示のできる景観シミュレータ
概要 3次元描画ライブラリ(G3drl) の立体視対応
開発内容

・ 単一スクリーン(液晶モニタまたはプロジェクタ)にマイクロポール加 
 工+ 偏光メガネ方式
・ 奇数・偶数ラインに左右の眼の画像を交互に表示する方法を採用
・ 左右の視点間距離は、コントロール・ファイルで指定する

備考

マイクロ・ポールを用いた液晶ディスプレイ、プロジェクタでプロトタイプを実現した。その他、現在利用可能なシステムとして、以下のものがある。
 移植は原理的に同じ
・ 通産省ヒューマン・メディア・プロジェクトで開発された卵型スクリーン
・ 米国製CAVE(日商エレクトロニクス扱い)
・ 竹中工務店技研が開発したドーナツ型システム(入手困難?)
子供科学フェスティバル(つくば)、土木の日(つくば)、国土交通省技術研究会(品川)、くらしと技術の土木展(徳島)に出展した

実施体制 基本的ライブラリについて、スリーディー社が開発

b. ネットワークで無償配布可能な、市街地将来像のビューワ(仮想市街地の中を歩き回る)

成果 ネットワーク上でビューワとして利用できる景観シミュレータ
概要 景観シミュレータにネットワークからデータ取得する機能を追加
開発内容 ・ 基本的な方法として、ビューワ機能に限定したsim.exe をユーザー側でインストールし、そこにWEBページからLSS-Sファイルを渡す。その中のモデル記述にサーバーのURLを指定し、これに基づいて、各種参照ファイルをsim.exe がサーバーからダウンロードし、表示を行う。
・インストール時間を軽減するために、モデリング機能等を分離し、
ビューワとしてのミニマムなインストーラを作成
・ 一つの現場(前原市)について、VRMLによる3次元データ配信と、cortna viewer による閲覧の方法を実現した。
実施体制

URLアクセス機能のあるビューワ版のsim.exeをスリーディー社が開発済
VRMLによる配信と閲覧について、環境GIS研究所がプロトタイプ開発済
MAC版について、リジッド・デザインズ社会がsim.exe からの移植作業中
高速ビューワをマップ・ステージ社が作成中

c. ネットワークで無償配布可能な、クリエーターズ・キット(仮想市街地を構築編集する)

成果 ネットワークで編集作業ができる景観シミュレータ
概要 ・ネットワークで短時間でセットアップできる
・ 景観データベースをネットワークで検索に行く(初期セットアップなし)
・ 一度配置などを行った部品は、ローカルに保持する
開発内容

・ 最終的にビューワと同一のシステムに合流した
・ モデラー、エディタの機能を初回起動した時点で、機能を追加する
・ WEBコンテンツとなる動画を視点移動から出す(MPEG, AVI)

実施体制

sim2.05 のURLアクセス機能について、スリーディー社が開発済
外部関数(実行形式)の追加ダウンロードについて国総研で作成
データベースへのWEBアクセスについて国総研で作成

d. ネットワークで利用できるデータベース(市街地構成要素、現況市街地等の検索・配布)

成果 Kou.exe, Yuu.exe, Zai.exe, Editor.exe
概要 ・優良景観事例は、WEBページ直接検索し表示する。
・景観材料、景観構成要素については、景観シミュレータでのモデリング作業中に検索を行った時点で、ネットワークから最新情報を取得し検索の上、部品を取得してシーンの中に配置する。
・データベースの追加登録も、WEB経由で行う(後期開発)
開発内容

・ WEB上のデータベースと、ディスク上のデータの連携
・ データベースの分散的な配置
・ コンテンツの拡充
・httpプロトコルによるファイル・アクセス

実施体制

基本機能:建築研究所平沢研究室、アプライド社、環境GIS研究所 
(9月末時点で、基本機能公開開始)
年度後半に、機能拡張を行い、WEB登録機能、審査機能を追加
(ソフトプライム社・高陽、現在デバッグ中)

e. 様々のCAD、CGソフト等とのデータ互換性を高めるファイル・コンバータ群の強化

成果 IN : DXF, MiniCad, DEM, VRML2
OUT : VRML2, DXF
概要

・ 取り込み:景観シミュレータの操作中に、形状生成の外部関数として、コンバータを起動し、変換元のファイルを指定すると、シーンの中に変換されたものが配置される。
・保存:景観シミュレータでファイル保存する際に、拡張子を、.wrl? .dxf 等と指定することにより、それぞれの形式でファイル保存する。

開発内容

・ VRMLからの変換機能(外部関数の一つとして、VRML2LSSを起動する)
・VRMLへの出力機能(ファイル保存の際に、拡張子を.wrlに指定する)
・DXF,DTMの入力機能(従来通り貿易コンバーターを使用)
・DXFへの出力機能

実施体制 スリーディー社(DXF出力機能)
筑波大学渡辺研究室(数値地図入力機能)
AITEC(VRML入出力機能)

 (2) データ公開・意見集約用のサーバー機能(コンテンツ、CGI等)の開発
  a. 計画案イメージに関する公開パンフレット、計画図等の公開機能

成果 http://sim.nilim.go.jp 以下の各サイト(プロジェクト全体+15の各現場)
概要

・プロジェクト関連を紹介する http://sim.nilim.go.jp/mcs の下に、データの登録機能、共通データ、フリーソフト等の公開機能等を収録
・個別のモデル事業別サイト( http://sim.nilim.go.jp/Fujimi 等)の中に、資料集などを公開

開発内容

・まず、個別サイト向けのスケルトン的なテンプレート、サンプルを完成
・これをもとに、各モデル事業毎のコンテンツを、各事業主体から送付された資料と、掲載方法に関する要望に基づきカスタマイズ
・コンテンツが固まった時点で、個性的なWEBデザインを施した

実施体制 AITEC直営

b. 市街地現況データの公開機能

成果 15の各事業別サイトに実装
概要 ・キーマップを表示し、この中にタイル割された区画をユーザーがクリックすると、各区画に相当する3次元データがクライアント側に送付される
開発内容

・ WEB版では、インデックス用画像(地区全体)を表示し、この上にタイル分割したマッピングを行い、各升目をクリックすると、該当部分の3次元データが配信される方法を採用

実施体制 AITEC直営

 c. 入力された将来像3次元データの受付機能

成果 各事業別サイトに実装
概要 ・公開開始前からサイトを開設し、この中の意見書き込みコーナーで、クリエータが作成したデータを添付ファイルとして受理する。
・公開開始後も、一般市民などからの提案の形態として、3次元データを受理することができる。
開発内容

・ 提案書の添付ファイルの形で画像や3次元データを受け付ける機能を
 実現
・ 審査機能を使用する場合、受け付けた時点で仮登録とし、審査員の判
 定を待って本登録・公開する方法を採用
・コントロール・ファイルにより、帳票形式、審査のロジックをユーザーが
 プロジェクト毎にカスタマイズを行い、これに対応したデータ構成を受け
 付けることを可能とした

実施体制 ソフトプライム社・高陽

d. 市街地将来像の公開機能

成果 各事業別サイトに実装
概要 ユーザーが、WEBページ上の特定の場所をクリックした場合に、クライアント側で景観シミュレータが起動し、届いた3次元データを表示する。
開発内容

以下の機構で実現
・SCN ファイルにURL情報を含め、これをWEBページにリンクする。
・クライアント側で起動した景観シミュレータは、このURLを出発点として、各種参照ファイルを取得し、シーン全体を再現する。

実施体制 AITEC

e. フリーソフト群の配布機能

成果

http://sim.nilim.go.jp/MCS 上のクリエーターズ・キットの配布コーナーに実装
(各事業別サイトから、ここにアクセスする)

概要 ・自己解凍形式で圧縮されたファイルをダウンロードし、実行すると、InstallShield によるセットアップが実行される。
開発内容

・従来のインストーラの機能に加えて、インストール時点で、InstallShield のルール記述の中に、クライアント側の外部ビューワとして、景観シミュレータを登録する機能を追加。
・セットアップされた景観シミュレータでモデリング機能等が実行された場合に、必要な外部関数等が追加で取得されるような機構とする。

実施体制 上期:平沢研究室、アプライド社(SQLサーバーにコンテンツを移植)
下期: http://sim.nilim.go.jp より配信開始

f. 公開した将来像に対する意見収集機能(メール自動受付・集計)

成果 各事業別サイトに実装
概要

・プロジェクト毎に設計されたFORMの形式のデータを受理する
・個別にFORM形式に対応して設定したSQLサーバーに登録する

開発内容 ・簡単な
実施体制 ソフトプライム社、高陽社

g. 収集・集約した意見の公開機能

成果 前期には、管理者のみがアクセスできるところまで開発
概要 ・投稿された提案、意見、データについて、管理者のアカウントでパスワード付きでアクセスする。
・総数、全ての提案等の見出し部分を一覧する
・全体を、csv 形式でダウンロードして、表計算ソフト等で編集を行い、公開用WEBコンテンツを作成する
開発内容 SQLサーバーに対応したASPファイルの雛型を作成
実施体制 アプライド社、高陽

(3) 下期に開発した追加的機能について

1.投稿された提案等の審査付き公開システム

成果 優良景観事例、景観構成要素、景観材料のWEB登録で試験中
MCSサイトを例に、意見書書き込み部分を試験中
概要

届いた提案書を直ちに公開するのではなく、審査員にメールで審査を依頼し、その判定結果で公開の可否を仕分ける

開発内容 サーバー上のサービスにより、審査依頼書発送、審査結果に基づく総合判定等の処理を行う
実施体制 ソフトプライム社

2.様式定義ファイルによってカスタマイズできる投稿システム

成果

優良景観事例、景観構成要素、景観材料については専用エディタ使用
提案書、審査員追加推薦などには専用のFORM(HTML)で入力
データベース構成を定義ファイルでカスタマイズすることにより、同一システムを上記全てに共通で使用する。
概要

・プロジェクト毎に設計された帳票の形式のデータを受理する
・帳票形式の定義ファイルに従って、データベースに登録する
・クライアント側での帳票の入力は専用のエディタ(大規模な帳票の場合)または、WEBページのFORM(小規模な場合)を用いる。
・添付ファイル群は、LHAで圧縮して1本化し、受理したサーバー側で展開して、ファイルの種類毎に処理を行う
・優良景観事例、景観構成要素、景観材料、提案書、審査員人事に関してシステムを共通化し、それぞれの定義ファイルによって機能を定義する方法を実現

開発内容

・定義ファイルに従ったデータコンテナファイルをhttpで授受する機能。
・定義ファイルによるテーブル構成のデータベースを構築する機能。
・簡単な様式をFORMから直接入力する機能
・登録された意見の全数表示機能

・優良景観事例、景観構成要素、景観材料の3種類のデータベースの登録項目を事例として、コントロール・ファイルによりカスタマイズ可能なデータベース登録機能を実現(SQL)
・専用の入力エディタを用いて入力した結果を添付ファイル(com.txt)として登録する
・簡単な構成の場合には、WEBページのFORMに直接書き込み、受け付けた後にサーバー側でデータファイルを作成して受け付け処理を実施
・データ納品、意見提案、景観データベース登録に同一のシステムを適用可能とした

実施体制 高陽

3.MAC版への移植とソースの整理

成果 デバッグ中
概要

LSS-G、LSS-S形式のファイルを開いて、表示を行うビューワの機能までを実現
異なるシステムに移植することを通して、従来の景観シミュレータのデバッグ、機能追加などによるつぎはぎだらけのソースコードを整理

開発内容 1.アプリケーション・フレームワーク
2.表示機能
3.ファイル解析機能
を内容とし、システムに依存しない共通ライブラリ(C言語)を最大限活用しつつ、GUIの部分について、MacOS固有の機能に対応した移植を行った。
実施体制 リジッドデザインズ

4.地形の改変を伴う高度なデータ作り込み

成果 なかなかむずかしい
概要 自然地形の改変を伴う開発の場合、高度な地形の編集を処理する必要があるほか、空中写真から解析した地形と、設計図の位置ずれ、高さずれ等に対応する必要がある。
開発内容

・景観シミュレータに追加したブール演算機能により、地形をカット
・計画案に基づいて作成した新たな形状を合成
・個々の道路、敷地等に関して、高さを持った立体として作成し、段差部分の隙間を埋める

実施体制 スリーディー、キーサイト

5.ビューワの高速化

成果 かなりすごい
概要 景観シミュレータのファイル形式(LSS-S、LSS-G)を読み込み、ジョイスティック、マウス、キーボード等で操縦しながらフライトシミュレーションを行う。
開発内容 ブラウザ側マシンの表示処理速度に依存せずに、移動経路上の次の視点位置を計算し、視点移動を行う(データが大きい場合には、移動速度ではなく、刻み間隔が変わる)
実施体制 九州工業大学、マップステージ社

モデル事業毎のデータ構築作業については、建築研究振興協会の報告書をご参照下さい。 

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Last updated : 2010/6/2 12:0:47
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