技術情報

座標系の設定
1.緯度経度と数値地図
  数値地図1:25,000地形は、概ね50mメッシュで陸地の標高を記述しています。
 奥尻島は、国土地理院の数値地図では、5面の図の範囲に相当しています。
   ファイル名の最初の2桁は北緯を表し、2/3度が1となるような数値です。
    奥尻周辺では、63×2/3つまり北緯42度から、42度40分までの間にあたります。
   次の2桁は東経を表し、100度から東に1度刻みで1増加するようになっています。
    奥尻周辺では、東経39度〜40度の範囲となっています。
   次の2桁は、この範囲を8×8=64の格子に分割したコードになっており、
    最初の桁が南北を南から、次の桁が東西を西から追った順となっています。
  青苗のある693903は、北緯42度0〜5分、東経139度22分30秒〜30分の範囲にあたります。
奥尻島周辺の数値地図の図郭番号
2.日本座標系・世界座標系
 大正7年の土地連絡図には、日本座標系とは異なるものの、測量のための座標系が記入されています。
  南北は、青苗岬の徳洋記念碑の辺りを7.8とし、北に増加する値です。
  東西は、同記念碑を-47.0とし、東に増加する値です。
  最も詳細な図は、東西が300m、南北が200mの範囲を描いています。
 1993年の北海道南西沖地震を受けて作成された1:2500市街図には、日本座標系XI系の座標値が記載されています。
  南北は、南が-216.7km、北が-213.7kmの、3kmの範囲です。
  東西は、西が-67.25km, 東が-65.25kmの、2kmの範囲です。
  また、図中には、十文字のトンボが、500mおきに描かれています。
  これらにより、図面の伸縮による誤差を補正することができます。
トンボ
 2000年以降は、世界座標系に移行したため、これらの座標系はもはや使用されていません。
  このため、現代の地図と対応させるためには、変換式を用いて座標変換する必要があります。
   まず、上記の693903の図郭の四隅の緯度経度を、日本測地系の緯度経度に変換します。
   四隅が海域であることから、海上保安庁のWEBサイトが提供している計算機能が利用できます。
       http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/eisei/sokuchi/html/henkan_chu.html
   北西隅 N42°5' E139°22'30" →N42° 4'51.050" E139°22'42.536"
   北東隅 N42°5' E139°30'    →N42° 4'51.034" E139°30'12.575"
   南西隅 N42°   E139°22'30" →N41°59'51.014" E139°22'42.517"
   南東隅 N42°   E139°30'    →N41°59'51.000" E139°30'12.559"
   次に、国土地理院のWEBサイトが提供している計算機能を用いて、平面直交座標系に変換します。
       http://surveycalc.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/bl2xyf.html
   北西隅 X=-212,793.213 Y=-72,098.829
   北東隅 X=-212,891.578 Y=-61,756.884
   南西隅 X=-222,048.664 Y=-72,193.547
   南東隅 X=-222,146.938 Y=-61,838.008
   これを四隅とする長方形を作成し、これにこの図郭の1:25,000地形図画像(693903.png)をテクスチャとして貼り込みます。
   次に、市街図の四隅に対応する長方形を作成して、半透明の赤に着色します。
   これらを合成表示して平面図表示で見ると、二つの図柄がほぼ一致します。
位置照合
  次に、青苗には、一等三角点があることから、この点に関して、地震の前後での変化を見ます。
  国土地理院で閲覧できる測量結果によれば、この三角点は、明治33年7月に設置されています。
  明治38年7月に測量された結果は、
  N42°3’16.342” E139°27’09.888”
  X = -215,774.72  Y = -65.982.28   H = 15.88
  でした。この値は、平成5年までそのまま使われてきました。
  
  南西沖地震の後、平成5年11月4日に改測された結果は、
  N42°3’16.339” E139°27’09.775”
  X = -215,774.790 Y = -65,982.889  H = 15.205
  となっており、南に7cm, 西に60.9cm 移動し、高さは67.5cm 下がっています。
  2000年には、世界測地系への換算が行われ、この一等三角点は、
  N42°03’25.3278” E139°26’57.2639”
  X = -215,518.495 Y = -66,277.898 H = 15.21m
  に改められています。
3.座標系の段階的構成
 GPSで得られる地球座標系で小さな建物まで記述すると、座標値として非常に大きな数値を常に扱う必要が生じます。
 そこで、多くの場合、小さな領域の地物の記述には局所的な座標系を使用します。
 これを一括座標変換によりより上位の広域の座標系の中に位置づけることが行われます。
 一括座標変換は、移動と回転により記述することができます。
 奥尻プロジェクトの場合には、以下のような構成をとっています。
 (1)建物レベルの座標系
  古写真の解析には、建物の横・縦・高さ方向をそれぞれX軸、Y軸、Z軸とするのが便利です。
  復原される写真の撮影カメラ位置やカメラアングルは、この座標を用いて復原されます。
  同時に、建物の各部形状も、この座標系を用いて記述されます。
 (2)地区レベルの座標系
  復原の単位とする区域の座標系です。データ作成の下図とする市街図の範囲の左下を原点とする座標系です。
  個々の建物を配置する位置は、(1)の建物を記述する座標系の原点の位置に対応します。
 (3)奥尻島全体の座標系
  数値地図から作成した島全体の座標系です。
  青苗集落全体を見る場合にも使用します。
 (4)地球座標系
  奥尻島全体の座標系の原点の位置を、緯度・経度で記述することにより関連付けます。
地形データの作成

 地形データを作成するためには、数値地図を用いる方法、ステレオ空中写真を用いる方法、  地形図の等高線から作成する方法などがあります。  全国で、50mメッシュの数値地図を利用することができます。  これは、市街地を三次元的に作成するための基礎としては精度が不十分ですが、 島全体の地形を把握したり、市街地の景観検討において遠景となる山々の地形を作成するためには有効です。
 大都市圏においては、5mメッシュ数値地図が提供されています。また、太平洋岸の広い地域に関しては、2005年頃に、海岸から1kmの範囲で詳細な地形がレーザースキャナにより作成されています。
  更に、東日本大震災の被災地に関しても5mメッシュの詳細な地形が計測されています。
  奥尻島に関しては、これらの最新の詳細な計測結果が利用できず、また地形も地殻変動や復興に伴い変化しているため、市街地の土台とするためには、昔の空中写真または地形図から地形を作成する必要がありました。これはある意味で、1990年代のCG技術の再利用です。

地上・空中写真の標定
青苗区域に関しては、いくつかの地上写真、空中写真が残されています。
空中写真は、測量のために撮影されたもののほかにも、記念的目的で撮影されたものがかなりあるようです。
地上写真には、高台から遠景を望んだような写真があります。比較的容易に位置が特定できます。
一方、町並の中で撮影したような建物は、写真相互の比較や、写っている建物を考証しなければ位置が特定できません。
写真を撮影した位置とカメラアングルを復原する作業を「標定」と呼びます。
標定を行うためには、使用する座標系を明らかにする必要があります。
写真から建物の三次元モデルの復原

個々の写真の撮影位置が解明できたならば、次にそこに写っている建物や堤防などの形状を復原することができます。 測量においては、同じ地物を複数の異なる視点から撮影したステレオ写真を使用しますが、古写真から復元する場合には、 ステレオで画像が得られない場合が一般的です。しかし、柱や梁や屋根の垂直・水平・直角等を仮定することにより、 一枚の写真だけからでも、多くの情報を引き出すことができます。

道路データの作成
道路を復原するためには、多くの場合、以下のような手順で作業を行いました。
1.作業するために適切なエリアを選び、市街図(画像)からこのエリアの部分を切り出す
2.エリアに相当する図形(長方形)を作成する
3.長方形に、切り出したエリアの画像を貼り込み、下図とする。
4.下図から等高線を抽出して、地形のデータを作成する
5.下図から道路を抽出して、区間毎にモデリングする
 この時、交差点に記入された標高(単点)や、道路を横切る等高線を重視する
   →詳細
街区データの作成

道路に囲まれた街区の部分は、最終的には個々の敷地の集合体として表現されるべきと考えますが、過去の地割に関する詳細なデータはなかなか得られません。 そこで、市街地を復原していくための途中段階として、仮の地盤を道路と同じ高さを縁として生成することにより、復原した住宅が配置できるようになります。 仮の地盤には淡い色を付けて道路との違いを明確化すると共に、半透明にして、住宅を配置する作業において、下にある下図が透けて見えるようにしておくことが能率的です。

住宅データの配置合成

地盤の高さに、下図の建物表現を参考にしながら、住宅を配置していきます。ある程度配置が進んだ段階で適宜、古写真のアングルからパースで見て確認することにより、住宅を配置すべき位置が、下図の隣の建物の誤りではないことを確認する必要があります。

点景の扱い
古い写真には、道路や沿道の建物などの固有の地物の他に、看板、石油タンク、乗物などの当時一般的だった点景も写っています。
 これらについても、位置は必ずしも特定する必要がない事物として三次元的に復原して、カタログ化しておく意味があります。
WEBサイトのとりまとめ
三次元的に復原した奥尻の昔の生活環境を、WEBサイトに集約することにより、様々な側面を有機的に見たり、個々の復原の根拠を直接確認することができるようになります。
更に、正規のHTML形式に則った文書を作成することにより、栄枯盛衰の激しいワープロ原稿等よりも長期的に可読性が持続することが期待できます。
WEBサイトとすることにより、コンテンツ公開以外に、情報収集・交換のための場所としての役割を果たすこともできるようになります。
本プロジェクトにおいては、以下の順番で、可能な所まで、サービス提供に取り組んでいきたいと考えています。
1.投稿機能(実装済)
2.審査付き掲示板(試験中)
3.コミュニティ会員登録機能(開発済)
4.タブレット端末を用いた現場でのAR表示(開発済)
5.ステレオ表示、パノラマ表示(データ作成中)
6.GIS掲示板(開発済)
7.バックアップ機能、分散サーバー機能(試作中)
8.任意のファイル形式による三次元データの入出力(開発済)
インストーラについて

2001年に、本WEBサイトの技術的な基礎となる「まちづくり・コミュニケーション・システム」を開発した頃には、 WEB技術が開く新しい技術的な可能性が、広大な新しい地平線の景観を形成していました。
しかしながら、三次元可視化技術は、産業界では急速に普及したものの、WEBコンテンツとしては思いの外伸び悩み、 サーバー上で走行するプログラムは、悪意のある攻撃の手段としても利用され、 セキュリティを担保するために、頻繁なOSのアップデートとウィルス対策ソフトのデータ更新を余儀なくされるようになりました。 更に、匿名の掲示板は、攻撃的な書き込みによってしばしば、見るに堪えないコンテンツが公開されるような状況も生じさせました。 また、攻撃的な書き込みのみならず、サーバーの脆弱性(セキュリティ・ホール)につけ込んで、個人情報を流出させたり、 コンテンツを書き換えたりするような事件も、後を絶たない状況になっています。
これに対応して、ソフトウェアをネットで配信する方法も、様々なセキュリティ・チェックがかかるようになり、安心して利用できるようにするためには、 多くの関門を越えなければならない状況になりました。
本サイトで三次元配信しているコンテンツを閲覧するためには、以下のような流れをクリア―する必要があります。

(1) セットアップ用の自己解凍形式のファイル(sim209setup.exe等)をダウンロードする。
(2) 実行形式を解凍して、セットアップに必要なファイル(CD-ROMのコンテンツに相当)を作成する。
(3) setup.exeを実行して、ユーザー側のPC上にセットアップを行う。
(4) 起動した景観シミュレータが、必要な三次元コンテンツをダウンロードして、表示を行う。

この内、いずれかの段階で障害が発生すると、三次元コンテンツを見ることはできません。 2012年8月時点で、少なくとも奥尻村役場において業務に使用されているPC上に景観シミュレータ等を本WEBサイトからダウンロードし、 上記の流れでセットアップを行い、公開三次元コンテンツを表示することは一通り実現しました。
しかしながら、学校や家庭のパソコンで同じようなことを行おうとする場合には、障害が現れる場合があります。

セットアップ用自己解凍形式のファイルがダウンロードできない場合

従来は、景観シミュレータの配信には、LHA32による自己解凍形式のファイル(拡張子.exe)を使用してきました。
.exe形式のファイルは、悪意のある処理を含む危険性があるため、信用できるWEBサイトからダウンロードする必要があります。
また、開発途上のプログラムはバグが不適切な処理を行う惧れもあるため、完成した段階で電子署名が付けられます。
更に、圧縮されたファイルの中には、セットアップの段階で展開される多くの実行形式が含まれています。 このため、メールの添付ファイル等を受信する際には、サーバーで、圧縮された内容のそれぞれに関して、ウィルスチェックが行われます。
例えば、国総研のメールサーバーの場合には、ZIP形式で圧縮されたファイルの中に、.exeの拡張子をもつファイルが含まれる場合には、受け付けないようになっています。 また、McAfee社のウィルス対策ソフトがLHA形式で圧縮されたファイルを検査する際に、バッファーオーバーランを起こす脆弱性を有していたために、ウィルス対策ソフトが ウィルスの侵入口となるおそれがあったため、同社がLHA検査対象から外したことから、lha形式であるというだけの理由で拒絶される場合もあります。

Windowsアプリケーションのセットアップ

従来の景観シミュレータのセットアップは、1996年にWEB配布開始して以来、一貫して、Install Shieldによるセットアップを使用してきました。
このセットアップは、以下の処理を行っています。

(1) 圧縮ファイルdata.zを解凍し、ユーザーが指定したディレクトリ(デフォルト:c:\@keikan)以下にファイルを配置する
 このファイルには、実行形式、部品データ、ヘルプその他が含まれます
(2) スタートボタンの先に、景観シミュレータのフォルダを作成し、その下に各実行形式を起動するショートカットを配置する
 景観シミュレータ、景観構成要素検索、景観材料検索、景観データベース入力エディタ、貿易コンバータなど
(3) .geo, .scnの拡張子をもつファイルを起動する実行形式として、景観シミュレータを指定する
(4) 環境変数KSIM_ENV を設定して、環境設定ファイルの所在と名称を指示させるようにする
 デフォルト:c:\@keikan\ksim\bin\kdbms.set (場所と名称は何でもよい)
(5) 環境設定ファイルを開き、HOME_PATHエントリを、セットアップ先のディレクトリを示すように書き換える

このような処理は、(a)InstallShield以外にも以下のような方法でも実装することができます

(b)MSIファイル(Micro Soft Install)を作成する(MS社が勧奨している方法)
(c)Windows Installer XML toolset(WIX)(MS社員が勧奨しているオープンソース)
(d)独自のセットアップ用実行形式を作成してしまう方法(手間はかかるが、技術資料不備などの壁がない)
MSIファイルの作成
VS2005を用いて、MSIファイルを試作してみた結果を記録しておきます
・VS2005の新規プロジェクトとして、セットアッププロジェクト[Setup2013]を作成します
・ファイル・システムとして、アプリケーション・フォルダ以下に、@keikan 以下をコピーします(1)
 また、ユーザーのプログラムメニューの下に、各実行形式のショートカットを作成します(2)
・ファイルの種類として、.scn 及び.geo の拡張子を開くアプリとして、sim.exeを指定します(3)
・レジストリとして、
 HKEY_CURRENT_USER/Environment/KSIM_ENV=[TARGETDIR]ksim\bin\kdbms.set
 を設定します。(4)
・kdbms.setを開き、HOME_PATHエントリのある行を、
 HOME_PATH=[TARGETDIR]
 に書き換えるvbscriptを作成し、セットアップ一式に加えます。このスクリプトを、
 カスタム動作エディタでインストールの下に設定します。
・以上の設定を行った上で、ビルドを実行すると、長い処理の後に、セットアップ.msiというファイルが作成されます。
・作成されたmsiファイルをダブルクリックすると、景観シミュレータがセットアップされます。
 このmsiファイルは、InstallShieldで使用するdata.zファイルとほぼ同程度のサイズです。
 つまり、このファイルを用いることにより、従来のLHA自己解凍形式のファイルを作成するステップが省略できます。
・但し、実際にこのファイルを用いてセットアップを行うと、
 vbscriptの実行が許可されていない、というメッセージで終了し、ロールバックされてしまいます。
 これは、vbscriptで、悪意のあるプログラムが容易に作成できてしまうことに起因しています。
 vbscriptの実行を許可するためには、管理者権限で、設定を行う必要がある場合があるようです。
・開発中のvbscriptにバグがあっても、ビルドは成功し、セットアップ段階でコンパイルエラーが発生してロールバックされます。
 この時、エラーに関する情報は何も得られません。あらかじめ、バグの無いvbscriptを作成してから投入する方が楽です。
・vbscriptが、setupに含まれるkdbms.setを削除・改名・上書き保存することはできませんが、読み出すことはできます。
 そこで、kdbms.txtという素材ファイルをsetupで用意し、これを書き換えてkdbms.setというファイルをvbscriptが新規保存します。
VBscriptの開発・デバッグ

VBスクリプトは、WEBサーバーの動的機能の定義などにも幅広く用いられています。 デバッグのためにステップ実行して変数の値を確認したり、ブレークポイントを設けたりするためには、Windows系OS上で、wscript.exeによりスクリプトを実行し、 その際に引数として//Xとしてデバッグを行います。
wscript.exe スクリプト名.vbs //X
実用的には、デバッガとしてVSを用いるのが便利であるため、殆ど空のVC++プロジェクトを作成し、 デバッグモードでこのようなデバッグ環境を設定し、デバッグなしに実行(Ctrl-F5)を行うと、デバッグが行えます。
デバッグ・コマンド:wscript.exe
コマンド引数:スクリプト名.vbs //x
デバッグなしに実行を開始した際に、スクリプトにバグがあり、コンパイルエラーが発生すると、エラー発生行とエラー内容が表示されます。
コンパイルが無事終了すると、実行が開始され、最初の行でブレークしてソースコードが画面に表示されます。
以後、変数の内容を確認したり、先の方にブレークポイントを設けて走行させたりすることができます。

インストーラからスクリプトへの設定条件の引き渡し
セットアップ先のディレクトリ名を、インストーラからスクリプトに渡さなければ、スクリプト側で適切にファイルを開いたり、その内容を書き換えたりすることができません。
インストーラ側では、カスタム動作の属性として、 CustomActionData=[TARGETDIR] と指定します。
64ビットOS
・最近では、64ビットOSがセットアップされているマシンが増えてきました。
・現在配布している景観シミュレータは、32ビットOS上の開発環境でコンパイル・ビルドを行った、32ビットのアプリです。
・64ビットのOS上で、32ビットのアプリを実行することはできますが、32ビットのOS上で64ビットのアプリは実行できません。
GPS座標の実測
2013年6月27,28日に、GPSセンサーを内蔵するタブレット端末2基(1,2)を用いて、緯度・経度・標高の計測を行いました。
端末1は大型、端末2は小型です。
(6月27日午後)
1.米岡団地北側取付道路の北端
2.米岡団地南側取付道路の南端
3.高台への斜路を登り切った位置(消防署の前)
4.望海橋の取付道路の南端
5.稲穂小学校体育館の屋根北東隅の直下
6.稲穂の鴎埼神社母屋屋根北東隅の直下
(6月28日午前)
7.徳洋記念碑(中心から北に4m地点)
8.青苗体育館屋根北西隅の直下から北に4m地点(直下では衛星数不十分)
GPS計測結果
地点 緯度1緯度2 経度1経度2 標高1標高2 衛星数1衛星数2時刻
1. 42°04.160′42°04.156′ 139°26.606′139°26.608′ 687 7/165/812:00
2. 42°04.096′42°04.092′ 139°26.661′139°26.661′ 70-25 9/166/812:20
3. 42°03.658′42°03.663′ 139°26.889′139°26.886′ 6010 8/116/914:00
4. 42°03.711′42°03.713′ 139°27.056′139°27.053′ 247 ¿¿14:20
5. 42°14.404′42°14.410′ 139°33.107′139°33.104′ ¿¿ ¿¿17:00
6. 42°14.309′42°14.321′ 139°33.031′139°33.034′ 4324 10/135/817:32
7. 42°03.142′42°03.141′ 139°27.030′139°27.027′ 5024 4/94/810:00
8. 42°03.645′42°03.639′ 139°26.790′139°26.788′ 531 5/160/810:32
(補注)
      *@ 衛星数は、(測位に使用した電波の強い衛星数/認識された衛星数)
      *A 2基のセンサ間の計測値格差は、地点6における経度が最大で、南北に約20mに相当します。
      *B 標高の計測値が安定しない場合には、<¿>(不定)としています。
遺跡の分布
(高台に多いが、低平地にも存在します。高台か、沿岸かという選択は古くからの選択肢でした。)
遺跡の一覧 P1, P2
案内図P1, P2
携帯端末を用いた、リアルタイム写真合成による、失われた集落の現地表示について
古写真から立体復原した民家は、パソコンで三次元表示して、様々な角度から眺めることができます。
携帯端末(スマホやタブレット)を用いると、背面のカメラから取得した画像と、復原民家を合成表示することができます。
以前はこのような現場での画像合成のための専用の特殊なゴーグル等を用いていましたが、
最近の携帯端末には、GPSや電子コンパスや加速度計が内蔵されているので、スマホアプリにより同じことを実現することができます。
-現在は公園となっている岬の風景を、スマホを通して見ると、以前の集落が表示される。
-6mの造成が行われた臨港地区の地面を、スマホを通して見ると、地下に以前の集落が表示される。
セットアップを行うためには、以下の手順を行います。
1.このサイトから、圧縮ファイル「VC-OKS.zip」をダウンロードする。
(2014.10改良版(こども体験教室用)はこちら)
(操作方法の画像による解説は→こちら)
2.解凍してできる VirtualConverterディレクトリ以下を、携帯端末(Android 3.2, 4.0)の内蔵SDカードのルートにコピーする
3.VirtualConverter直下にある、VC-3M(Okushiri2).apk により、仮想コンバータVC-3Mのセットアップを行う。
4.アプリに新たに登録された「仮想コンバータ」のアイコンをタップして起動する。
詳しくは→こちら

奥尻島災害復興研究会最終報告→ 8.2

北海道自然災害資料センターの紀要(2013)に収録されています

奥尻島災害復興研究会・現地報告会に向けて(プログラムの改良等)
2014年3月末の公開開始以後、以下のような改良を行いました。
・GPS信号待ち受け時間における処理
 町並や建物全体の縦横高さが画面に収まる程度の距離からのパースを画面中央に表示するように修正
 視点位置は、タブレットの姿勢から取得した位置に設定します。
  例えば、タブレットを下向きに構えると、町並や建物を上から見下ろしたアングルで眺めます。
  縦に北向きに構えると、建物の南面を表示します。
  横に1回転すると、建物の全周を見ることができます。
・手ブレ対策
 タブレットに手ブレが伝わると、加速度センサがこれを拾い、下向きのベクトルが揺らぎます
 このため、町並や建物が振動するように表示されます
 この手ブレの影響を緩和するために、加速度計測値にフィルタをかけて、細かな振動を減らしました
・縦横の機種による違いの自動判定
 機種により、画面の縦横方向が異なっています。

 ※一般にタブレットは横長の向き、スマホは縦長の向きが基準となっています。  構えた角度により、縦横の向きが自動的に切り替わる機能等も備わっています。  また、画面表示だけではなく、加速度センサや磁気センサ(電子コンパス)の座標軸も変更されます。  縦横の判定が、画面と各種センサで一貫して行われないと、正しい向きに合成表示が行われません。

 いくつかの機種で正しい向きに表示が行われることを確認しました。
これまでに表示確認を行った機種:
東芝:
 AT700, AT1S0 (Android3.2)
SONY:
 XPERIA SGP312 (Android4.0)
HWAWE:
 GL07S (Android4.1.2)
SONY:
 XPERIA SGP312 (Android4.2.2)
 XPERIA SGP512 (Android4.4.2)        
ASUS:
 NEXUS 7 (Android4.4.4)

現地報告会の参加者として募集した小中学生向けに名称を、「むかしめがね」アプリとしました。

ダウンロード(むかしめがね)
奥尻島災害復興研究会・現地報告会の記録

10月7日報告会(18:00-20:00, 青苗支所)
(1)古写真による記憶の町並の再現
ポスター資料
(2)生活環境の変化に関する住民結果報告
(3)町並再生イメージゲーム
 1993年の地図と、  2014年現在の地図を比較しながら、  参加者の記憶を地図の上に記録しました。

10月8日体験教室(16:00-17:00, 津波館、浜風公園
 記者発表(141006)  日刊建設工業新聞(141007)  道新(141010)

体験教室の風景

参加者

参加者(小学生4名、大人7名)
当日は朝から雨でしたが、体験教室の時間には雨が上がり、屋外での体験教室が実現しました。
津波館に集合し、最初にタブレットの電源を入れる操作から、「むかしめがね」アプリを起動し、見たい場所を選択する所までを説明
GPS衛星を探している間は、町並全体を様々な角度から見ることができます
しばらくすると、衛星電波からGPS座標が得られるので、実際の場所に表示されます
現在は公園となっている現場を歩きながら、実写の上に合成表示された、むかしの町並の中を眺めました。

歩行姿

終了後、浜風公園に移動して、現在は地下になっているむかしの町並を眺めました。

記録ファイル
1:Z
2:Z2(20)
3:Z2(21)
4:Z2(22)
5:NEXUS7

前日のワークショップで報告された、 「徳洋記念碑の真中より上まで津波の痕跡があった」 という記憶証言に基づいて、 地盤高2m+17m(記念碑の高さ)÷2 ≒ 11m の高さの水面を追加した町並も表示できるように「見たい場所」の一覧に追加してあります。
(このデータは、体験教室終了後の記録データを用いて、クリーンな携帯端末にセットアップを行うことにより、
追加された場所の一覧を選択することができます。

また、これらのデータには端末毎に、操作中にシャッターボタンを操作した時に撮影された画像も記録されています。
「歩いた場所」ボタンで表示される、体験教室当日のシャッターボタンで記録した、場所(画像)一覧から場所を選択して、 背景画像と町並の合成画像を再生表示することができます)

当日体験教室に使用したデータ(背景画像を除いた町並データだけの表示)

みさきこうえん

みさきこうえん

みさきこうえん津波2

みさきこうえん津波2:高さ11mの水色の箱として水の高さを表現しています。

はまかぜこうえん

はまかぜこうえん

はまかぜこうえん6津波

はまかぜこうえん6津波:高さ6mの水面は、標高約2.5mの地盤の上にあった以前の町並を水没させています。 現在の地盤面は、復興に伴う造成により6mの高さにあります。

よねおかけんえい

よねおかけんえい:復興当時の設計図から作成したデータです。

※当初計画された移転先の団地全体は実現しませんでしたが、県営住宅(災害公営住宅)だけはほぼこれに近い形で実現し、 今でもあります。体験教室では省略しました。

終了後の意見・提案など(小学生)
・住宅の名前(表札)がわかるとよい
・町並の色が暗い感じがする
・高さがわかりにくい
・歩いていて住宅の内部に入ってしまうと真っ暗で何も見えない
お礼と所感(開発者より)
・台風18号による天候不順な中、何とか体験教室を実現できてよかったと思います。
 奥尻町教育委員会と、参加者の皆さまに感謝いたします。
・このシステムの開発を手掛けてから2年余りの間に、携帯端末の性能向上は著しいものがあります
(とりわけ、GPSの取得が速くなり、精度も上がりました。また町並の表示も速くなりました)
・これらの意見を踏まえて、データの作成方法や、表示プログラムを今後も改良していきたいと思います。(了)
BACK HOME Last updated : 2014/11/7 17:50:38
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